宇宙英雄ローダンシリーズ
１〜１０

　西暦１９７１年、人類初の月ロケット≪スターダスト≫が打ち上げられた。指揮官は合衆国宇宙軍少佐のペリー・ローダン。ロケットは着陸寸前に誘導電波を妨害され不時着に至る。ローダンとレジナルド・ブルが発見したのは、直径５００ｍにおよぶ≪大帝国≫の巨大球形宇宙船だった。(2000.8.16)
　地球三大勢力ブロックによるアルコン宇宙船の破壊。だが、宇宙船が発した救難信号により、銀河の周辺勢力が太陽系を攻撃にかかる。これが、ローダンが築いた第三勢力の認知と地球ブロックの団結につながる。
　ヴェガ星系で得られた手がかりを追って、ローダンは不死者と遭遇。地球人に不死が与えられ、ローダンと地球は未来への大きな可能性を手にする。(2000.8.26)

ローダンなもの

１巻「大宇宙を継ぐ者」

　・スターダスト計画　Ｋ・Ｈ・シェール
　人類初の月ロケット≪スターダスト≫がペリー・ローダンほか３名を乗せて打ち上げられる。だが、ロケットは何者かによって月面に不時着させられる。ローダンは直径５００ｍを越す≪大帝国≫の宇宙船を発見した。宇宙船乗員との援助協定を取り付けたローダンは、≪スターダスト≫に≪大帝国≫の物資を搭載し、ゴビ砂漠に着陸した。

　・≪第三勢力≫　クラーク・ダールトン
　ゴビ砂漠に着陸したローダンは≪第三勢力≫を宣言して、その力を誇示する。ローダンの存在を脅威と見なす西ブロック、東ブロック、アジア連合はその排除を画策するが失敗。≪第三勢力≫排除のため、三大ブロックは相互協力を約束する。(2000.8.17)

２巻「銀河の神々のたそがれ」

　・ドームの危機　Ｋ・Ｈ・シェール
　世界統一組織の反撃。第三勢力バリアへの一点集中攻撃でバリアは崩壊寸前。さらに、巡洋艦艦長のトーラの不在をついて”冷たい核融合”を用いた水爆三発が、月の巡洋戦艦を破壊する。生き残ったアルコン人はトーラとクレストだけとなり、巡洋戦艦を修理してアルコン帝国へ戻る望みは絶たれてしまう。

　・神々のたそがれ　クラーク・ダールトン
　巡洋戦艦搭載艇の着陸により、危機を脱した第三勢力だが、世界統一組織は攻撃をあきらめない。だが、アルコン人はローダンに一層緊密な協力を要請し、またローダンに共感した協力者が次々に現れる。(2000.8.17)

３巻「ミュータント部隊」

　・非常警報　クルト・マール
　アルコン人二人の帰還の希望を満たすため、宇宙船の部品調達を進める第三勢力。だが、破壊されたアルコン巡洋戦艦から自動式救難信号が発せられていた。
　救難信号に引き寄せられ、異星の宇宙艦が月に接近。地球を防衛できるのは第三勢力しかない。月軌道で人類初の宇宙戦が行われる。

　・ミュータント部隊　Ｗ・Ｗ・ショルス
　ファンタン星人の宇宙艦を撃破し、地球三大ブロックの信任を得たローダン。経済基盤を固め、超能力者を探し出してミュータント部隊が発足する。しかし、地球にはすでにアルコン帝国最大の敵のひとつ、精神寄生体ＩＶｓの侵略が進んでいた。(2000.8.18)

４巻「謎の金星基地」

　・宇宙からの侵略　クラーク・ダールトン
　ＩＶｓの地球侵攻が本格化する。第三勢力ミュータント部隊は、ＩＶｓの地球基地をつきとめその破壊に成功する。

　・謎の金星基地　クルト・マール
　地球以外の拠点を確保したいローダンによる金星の調査。そこには１万年前に建設されたアルコン基地があった。ローダンは金星基地の司令として認められる。(2000.8.19)

５巻「決戦！ヴェガ星域」

　・地球救援　Ｗ・Ｗ・ショルス
　ＩＶｓの大々的侵攻。地球の６つの大都市がその手中に落ちる。封鎖されたニューヨークにいたブルとアダムスは辛くも脱出。ローダンは逆にＩＶｓの拠点を突き、ＩＶｓ禍は決着した。

　・ヴェガ星域戦　Ｋ・Ｈ・シェール
　ＩＶｓの侵略から３年を経過した１９７５年。地球から２７光年離れたヴェガ星域に大々的な超光速宇宙艦の集結が観測された。手元にある唯一の超光速艇≪グッド・ホープ≫での偵察行を決意したローダンは、恒星帝国トプシダーの艦隊を発見。侵略を受けるフェロン人の援助を決意する。
　トプシダーがアルコンから奪った巨大宇宙戦艦が突如出現。≪グッド・ホープ≫は撃墜される。地球には超光速宇宙艦の建造能力はなく、ローダンはヴェガに孤立した。(2000.8.19)

６巻「時間地下庫の秘密」

　・ミュータント作戦　クルト・マール
　大破した≪グッド・ホープ≫で地球帰還は不可能。地球への道は唯一トプシダーのもとにあるアルコン宇宙戦艦の奪取しかない。フェロン人抵抗組織と手を組み、起死回生の作戦が始まる。

　・時間地下庫の秘密　クラーク・ダールトン
　アルコン製の巨大宇宙戦艦≪スターダストII≫を手中にしたローダンは、フェロン人の居住域からトプシダーを撤退させた。かつてフェロルを訪れた謎の種族が残した時間地下庫の謎を解いたローダンはアルコン人も知らない物質転送機の設計図を手に入れる。(2000.8.20)

７巻「六つの月の要塞」

　・六つの月の要塞　Ｋ・Ｈ・シェール
　ヴェガ星系外縁の第四十惑星にある６つの月。トプシダーはそこに基地を作り反撃の機会をうかがっている。ローダンは、ローダンの母星からの攻勢が近いという偽情報と、ローダン母星座標に関する偽情報を伝えることで、トプシダーを最終的にヴェガ星系から追い出す。

　・銀河の謎　クラーク・ダールトン
　ヴェガはクレストたちが探し求める永遠の生命につながる惑星をかつて従えていた。いまは消えてしまったその惑星への手がかりは時間地下庫にあった。ローダンは、時間地下庫を通じて謎のメッセージカプセルを入手する。
　それにしても、不死の存在が不死を与えるための謎は、いささか凡庸ではないか。超技術によって作られているのはともかく、それ以外は単なるパズルのような印象。いったい何を試すためにこういう謎が仕掛けられていたのか推測がつかない。(2000.8.22)

８巻「銀河の時空を抜けて」

　・銀河の時空を抜けて　クラーク・ダールトン
　メッセージカプセルは、ローダンを過去の旅へと誘った。時間地下庫に現れた時間転換機により、ローダン一行は全盛期のアルコン人ケルロンと出会う。

　・ゴルの妖怪　クルト・マール
　次の手がかりは木星の三倍の規模を持つヴェガ第十四惑星。大重力と高い気圧の中で遭遇したのはエネルギーを吸い取る謎の光生物。(2000.8.26)

９巻「死にゆく太陽の惑星」

　・死にゆく太陽の惑星　クルト・マール
　ヴェガ第十四惑星から転送された先は、ヴェガから２４００光年離れた死にゆく太陽の砂漠惑星トラムプ。ここに住むネズミビーバー一族は超能力で遊ぶのが趣味。彼らの守る秘密は、不死者の惑星位置を記した銀河地図だった。

　・ツグランの反徒　クラーク・ダールトン
　不死者の惑星を位置を知ったローダンは、起点となるヴェガにひとまず戻ることにする。だが、≪スターダストII≫にもぐり込んだ一匹のネズミビーバーが超空間ジャンプの目的地を変更してしまう。一行の到着地はアルコンの植民星ツグラン。ローダンはアルコン帝国の実状を垣間見、期せずしてアルコン帝国の使者として振る舞うことになった。
　超能力を持つネズミビーバーはグッキーと呼ばれ、言語教育を受けてミュータント部隊の一員になった。(2000.8.26)

１０巻「宇宙の不死者」

　・宇宙の不死者　Ｋ・Ｈ・シェール
　ついにたどりついた不死者の惑星。だが不死者は不死を求めるアルコン人クレストを拒む。不死を得たのは、地球人ローダン。ローダンは自分と自分が選んだ地球人に対して、ヒュジオトロン（細胞シャワー）による６２年の相対不死を与える権利を受けた。

　・金星の危機　クルト・マール
　不死者の惑星ワンダラーから地球へと向かったローダン。だが、ワンダラー滞在により４年半が経過していた。長期のローダン不在をみた東ブロックは、自己の覇権を求めて、核燃料ロケットを使い金星の制圧にかかった。
　ローダンの金星基地は、この事態によりみずからをエネルギーバリアで閉ざす。三週間以内に金星基地の大ポジトロン脳に計算をさせなければ、不死者の惑星ポジションは計算できなくなってしまうのだが。

　金星のジャングルと巨大怪獣はいただけない。期限が三週って、４年半が経っているのに三週間にどんな意味があるのか。こまかいことに悩まないで、ローダンが世界政府の設立に意欲を見せたとか、金星植民地の基礎ができた（１１巻で女性を含む一団が送られて来る）とかに注目しましょう。(2000.8.26)

　初稿：2000.8.17、改訂：2000.8.18〜