宇宙英雄ローダンシリーズ
２９１〜３００

　旧ミュータント８名が手に入れた肉体は、早急な崩壊を迎えていた。なすすべを失った８名はその身をローダンに委ねる。(2004.4.22)
　ミュータントを救うため、アスポルクを再訪するローダン一行だが、ＰＥＷ隕石は宇宙船となって銀河中枢部の残骸星系へと飛行する。追跡するローダンは太陽系侵攻をねらうパラマグと遭遇し、その脅威を退けるとともに、旧ミュータント８名に安住の地となる小惑星ワーベ１０００を確保する。(2004.5.8)

ローダン宇宙へ

２９１巻「さまよえるミュータント」

・さまよえるミュータント　クルト・マール
　レムール時代に破壊された第五惑星”ツォイト”の破片から、ノーマルシントスに関する情報が手に入った。それをもとに旧ミュータントの置かれた状況を把握したローダンはヴィデオフォンを使って全地球規模で８人に話し合いを呼びかけた。
　しかし、今回の事件をローダンの選挙キャンペーンだと断じる大執政官候補の一人ボウント・テルヘラが介入。会談は８名の逃走で終わる。

　ツォイト崩壊を期に研究施設はレムリアに移行したはずだが、どうして崩壊後の記録までがツォイトの破片上にあるのか不思議。(2004.4.22)

・ミュータントを追う者　ハンス・クナイフェル
　肉体の崩壊が進む旧ミュータント８名の隠れ場所をアトランとともに突き止めたサンダル・トークはコレッロとアラスカを８名から切り離すことに成功する。
　なすすべのない８名はついにローダンのもとへ身を委ねる。
　サンダル・トークはエクソタ＝アルファへの帰還を決め、妻となるシェリファー・アルガスを伴い出発する。(2004.4.22)

　２９０巻の最後に載っている２９１巻から３００巻までの仮題。

　581「精神ミュータント」クルト・マール
　582「ミュータントを追う者」ハンス・クナイフェル
　583「アラスと絶望した者たち」ウィリアム・フォルツ
　584「ミュータント計画」Ｈ・Ｇ・フランシス
　585「アルコン人のかけひき」ウィリアム・フォルツ
　586「虚空から来た巨人」Ｈ・Ｇ・フランシス
　587「救援艦隊」ハンス・クナイフェル
　588「サバイバル・スペシャリスト」Ｈ・Ｇ・エーヴェルス
　589「反世界のステーション」Ｈ・Ｇ・エーヴェルス
　590「目的地は未知」クラーク・ダールトン
　591「パラドックス知性体」エルンスト・ヴルチェク
　592「荒廃した世界」エルンスト・ヴルチェク
　593「メタ心理戦争」クラーク・ダールトン
　594「パラマグの戦い」Ｈ・Ｇ・フランシス
　595「反物質危機」ハンス・クナイフェル
　596「ハイパー嵐のなかの小惑星」Ｈ・Ｇ・エーヴェルス
　597「最後のかくれ場」エルンスト・ヴルチェク
　598「パラ＝バンク」ウィリアム・フォルツ
　599「決着の日」クルト・マール
　600「不可視の領域」クルト・マール

２９２巻「アラスの使命」

・アラスの使命　ウィリアム・フォルツ
　ミュータント８人の治療はアラス医師パイ・テルチュに委ねられ、ＵＳＯの医療中枢惑星タフンへと送られる。ボウント・テルヘラは破壊工作を仕掛け、二百の太陽の星から来た医師のケンジ・マツタニ博士などが犠牲となる。
　ミュータントが救われるためにはＰＥＷ金属が必要という意見を、ローダンはアスポルクとの再接触は太陽系にとって危険とし、拒否する。ミュータントの治療に突破口が開けない中、マット・ウィリーの助力により崩壊プロセスだけは食いとめられる。
　ベティ・タウフリーはアスポルクのＰＥＷ隕石が大群禍の間に変容し、パラドックス知性になった可能性を示唆する。(2004.4.25)

・ミュータントの計画　Ｈ・Ｇ・フランシス
　精神的には回復したミュータント８名だが、肉体は実質的に死んでいる。８名は自分たちが助かるためにはＰＥＷ金属を入手するしかないと考え、能力をあわせてプシ物質＝アストラル体（ＰＡ体）のからだを生成して全員がそれに乗り換える。
　アスポルクを目指すには、その座標が必要になることから≪マルコ・ポーロ≫の計算センターに侵入したＰＡ体は、しかし発見されてしまう。(2004.4.25)

２９３巻「アトランの裏切り」

・アトランの裏切り　ウィリアム・フォルツ
　集合ミュータントを発見したのはアトランとイホ・トロトだった。アトランは集合ミュータントをアスポルクへ連れていくと申し出る。性能の低い新アルコン人の球形船≪アントラク＝パイト≫を徴発した一行はアスポルクへ向かう。
　追跡するローダンも、ＰＡ体が長く維持できないことを知り、譲歩する。しかし、アスポルクでは急激な技術進歩が確認されるとともに、アスポルコス全員が食事をとることを忘れて飢餓に瀕していた。
　”それ”がメッセージを送ってくる。(2004.4.28)

・虚空から来た巨人　Ｈ・Ｇ・フランシス
　アスポルコス救援を試みるローダン。だがＰＥＷ隕石は全長２５０キロメートルの宇宙船となってアスポルクを去り、そのせいでアスポルクの状況はさらに悪化。
　救援と隕石宇宙船追跡が平行して展開。(2004.4.28)

２９４巻「アスポルク救援船団」

・アスポルク救援船団　ハンス・クナイフェル
　ローダンからの通報艦ＣＭＰ＝３４が地球に到着。レジナルド・ブル達は未曾有の救援船団を組織する。太陽系評議会でのボウント・テルヘラの非難を退けたものの、期を同じくして大規模な破壊工作が行われる。
　困難を排除し、ついに通報から１０日後、３５３１隻の巨大船団が発進した。(2004.4.30)

・サヴァイヴァル・スペシャリスト　Ｈ・Ｇ・エーヴェルス
　メタボリズム変更能力を持つオクストーン人スペシャリスト、ポウロル・オルトクルとネリマン・トゥロッキーが登場。アスポルク救援のため、アトランに招聘される。
　隕石宇宙船が発進したことでＰＥＷ放射が弱まり、集合ミュータントは不安定となる。集合ミュータントはアスポルクで行方不明。タッチャー・ア・ハイヌが８体のアスポルコスに宿ったミュータントを発見するものの、８名は≪マルコ・ポーロ≫強奪を試みる。(2004.4.30)

２９５巻「反世界のステーション」

・反世界のステーション　Ｈ・Ｇ・エーヴェルス
　弱まるＰＥＷ放射のため、不安定になった旧ミュータント８名は再びアスポルクに逃走。一方で、ダントン率いる救援艦隊の活動が始まる。
　８名を発見したのはロルヴィクとタッチャー。アスポルクにある洞窟の奥で反世界にいる不思議な女性サヴィイのルウロアと出会い、世界と反世界の関係について聞く。その助力を得て、８名のミュータントはいったん安定し、≪マルコ・ポーロ≫に収容された。
　ローダンはミュータント８名を救うため、巨大隕石へ運ぶことを決意する。(2004.5.5)

・目的地は未知　クラーク・ダールトン
　ＰＥＷ隕石に降りたローダン一行は、アメーバ状のウィルス怪物と戦う。
　一方で、”時の犠牲者”と名乗る謎のテレパシー救援要請がもたらされる。”時の犠牲者”とコンタクトを果たしたグッキーとロイドは、相手がＰＥＷ金属内をパラトランス変形して移動できることを知り、また磁気フィールドを搬送媒体として利用できることからパラマグネッター、パラマグと呼ぶことにした。
　パラマグは自分たちの起源を説明できず、またＰＥＷ金属が自分たちに敵対していると語った。
　宇宙磁気嵐に遭遇したＣＭＰ＝１３は、荒廃した地球植民他パラダイソに不時着する。

　単細胞生物の集合体としてのウィルス怪物、というのはウィルスの定義に反していると思えますが。(2004.5.5)

２９６巻「パラドックス知性体」

・パラドックス知性体　エルンスト・ヴルチェク
　隕石宇宙船内部の調査を続ける旧ミュータントは、パラマグが隕石宇宙船の回路を操作するためにパラトランス変形を行うことを突き止める。だが、その回路はパラドックス知性に阻まれる場所があり、またパラマグ自身もウィルスの感染で能力を阻害されているようだ。(2004.5.6)

・荒廃した世界　エルンスト・ヴルチェク
　隕石宇宙船はついに目的地パラマグ＝アルファに到達。そこはくだけた惑星が互いをＰＥＷケーブルで連結して恒星を巡る荒廃した世界。そこに住むネオ＝パラマグは、隕石パラマグよりも活動的だ。パラマグに取り憑いて偵察に出たミュータント８名はＰＥＷ転送機と反物質兵器の存在を知るが、後に残したアスポルクの肉体は破壊されてしまう。
　一方≪マルコ・ポーロ≫内部にもＰＥＷ金属とパラドックス知性、ウィルスの怪物の一部が入り込み混乱が起きる。(2004.5.6)

２９７巻「メタ心理戦争」

・メタ心理戦争　クラーク・ダールトン
　銀河中枢部の恒星”パラマグ＝アルファ”に到着した隕石宇宙船上の旧ミュータントを支援するため、グッキーとイホ・トロトが転送機で向かうが、五次元および上位次元の放射のせいで１１万年の過去へと送られてしまう。二人と旧ミュータントはそこでパラマグ母星の崩壊を見る。
　一行はさらに現在から５万年の過去で隕石宇宙船の出発に立ち会う。隕石宇宙船はあらたなＰＥＷ金属を持つとされる太陽系の侵略を意図したものだった。一行は行動を起こし、隕石宇宙船の航法データに手を加えてアスポルクで遭難するよう仕向けたのち、現在へと帰還できた。
　だが、隕石宇宙船が帰還した現在、パラマグは太陽系侵略を再開できる。しかも、ＰＥＷ転送デフォルメーターを利用するなら、宇宙船は不要だ。

　たった一話で１１万年の歴史と、あらたな太陽系侵略の危機が明らかとなった。超次元放射がまさに適切な二つの瞬間へ一行を送り込むという離れ業だが、サイクルの終了が近いのだからやむをえない。５万年の時を置いて再び太陽系侵略を狙うパラマグというのもすごいぞ。(2004.3.11)

・パラマグの戦い　Ｈ・Ｇ・フランシス
　パラマグの太陽系侵攻を防ぐには、隕石宇宙船の制御センターを破壊しなくてはならない。しかし、隕石自体の破壊はパラマグの権利を重んじるローダンの意図するところではない。パラマグ、パラドックス知性、テラナー三つ巴の戦いが展開する。
　パラドックス知性との相互理解に成功したのも束の間、太陽系のデータを手に入れたパラマグは隕石をパラドックス知性もろとも破壊し、ローダンに最後通牒を突きつける。銀河中枢部の活発な活動のせいで太陽系との連絡を絶たれたローダンはコルヴェットＫＭＰ＝１１を通報艦として派遣する。
　旧ミュータントたちはＰＥＷネットを通じて残骸星系の中心世界ワーベ�Tへ移動した。

　謎めいたパラドックス知性もあっさりと退場。(2004.3.11)

２９８巻「反物質兵器の恐怖」

・反物質兵器の恐怖　ハンス・クナイフェル
　テラでローダンからの警報の断片を受けたレジナルド・ブルは太陽系に非常事態を宣言する。やがて、小惑星を拠点として、パラトロン・バリアでも対抗できない反物質兵器による攻撃が太陽系の艦船を襲う。アッカローリー時代の特殊船を使って、太陽系はひとまず脅威を退けた。
　かろうじて太陽系に到達したＫＭＰ＝１１と入れ違いに、搭載巡洋艦ＣＭＰ＝３４がローダンへの伝令として出発する。
　ボウント・テルヘラが失脚。

　テラ艦はリニア空間を飛ぶとき、バリアを張って周囲の影響に対抗するのか。アンソン・アーガイリスは太陽系の人口を数十億だと語るのも少しへん。ハイパー嵐はどうやら自然現象らしい。コルベットは英語ではcorvetteだがドイツ語ではKorvette。(2004.3.11)

・ハイパー嵐の中の小惑星　Ｈ・Ｇ・エーヴェルス
　アッカローリー時代の特殊船も、パラマグの攻勢に対して万全ではない。ＰＥＷ転送デフォルメーターの活動を知ったローダンは、特殊作戦でその破壊をはかる。グッキーと旧ミュータント、オクストーン人二人はそれに成功し、副次効果によってワーベ�Tが消失する。
　”それ”がローダンに語りかける。(2004.3.11)

２９９巻「旧ミュータントの帰還」

・最後のかくれ場　エルンスト・ヴルチェク
　ローダンを支援すべく、アスポルクからロワ・ダントンが残骸星系に到着。ディノサウルス級艦隊テンダーを使って、旧ミュータントが生存できるＰＥＷ小惑星を盗み取るという作戦が発動。

　それはよいアイデアだとほめるアトランと方法に悩むローダンだが、盗みに伴う道義的呵責がまったくないのはどう理解したら良いのか。戦争相手なら略奪もかまわないというのはいくらなんでも。
　小惑星をテンダーに乗せるあたりの方法は怪しい。衛星の軌道と言っても単なる自由落下状態であって、レールのようなものがあるわけではないから、軌道から外してテンダーに積むという手順を踏まなくても、回転を止めた後テンダーとつなげてそのまま加速すれば済むはずなんですけど。(2004.4.11)

・旧ミュータントの帰還　ウィリアム・フォルツ
　盗み取った小惑星ワーベ１０００を秘密の恒星ワイルド・マンへ運ぶ一行。突然あらわれた衝動洗濯中のハルト人トンドル・ケルラクが一行のじゃまをする。また、ワーベ１０００に残っていたパラマグと旧ミュータントとの戦闘が開始。

　宇宙空間に放り出されたローダンが、惑星軌道を外れて恒星ワイルド・マンに落下。というが、銃撃程度でというのはちょっと。(2004.4.11)

３００巻「太陽系帝国の守護者」

・太陽系帝国の守護者　クルト・マール
　小惑星ワーベ１０００は恒星ワイルド・マンへの衝突コースにあった。運用できる唯一の宇宙艦ＣＤＩＮ＝３が重力嵐を突いて≪マルコ・ポーロ≫の待機するポイント・パラへ救援をもとめに向かう一方、ワーベ１０００に残されたローダン一行はパラヒュプノ的手段を使う防衛システムと戦う。
　ワーベ１０００に生まれたパラドックス知性”ペイルン”との間に協定が結ばれ、旧ミュータント８名は安住の地を得た。また、ワリンジャーはＰＥＷ金属の身体を持つハイブリッド・ロボットの製造を意図する。
　ローダンは大執政官選挙前に地球へ帰還し、大執政官に再任される。(2004.5.8)

・不可視の領域　クルト・マール
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