宇宙英雄ローダンシリーズ
４１〜５０

　アルコンロボット摂政は、太陽系帝国の排除を必須とみなす。摂政艦隊をとどめるドルーフ戦線は遠からず消滅する。太陽系の銀河ポジジョンもまた近いうちに知られてしまうだろう。試練の年２０４４年が始まる。(2001.3.15)
　アルコン摂政破壊を決意するローダン。それに成功すれば、アルコン帝国は大混乱に陥るだろう。しかし、失敗。ローダンの最期と思われたそのときアトランが摂政の安全機構を作動させた。ロボット摂政は退位し、アトランはアルコン皇帝ゴノツァル八世となる。
　アルコン帝国の混乱が続くが、アルコンはテラと手を組んで次々に困難を克服する。(2001.3.24)

ローダンなもの

４１巻「擬装の銀河ゲーム」

　・祖先の宇宙船　クラーク・ダールトン
　数千年の間移動を続けるアルコンの植民船。そこには１０万人以上が冷凍され眠っている。軽巡洋艦で監視飛行から戻る途中のグッキーがたまたまそれを発見する。おりしも艦内では革命が進行していた。

　・擬装の銀河ゲーム　クルト・マール
　アルコン摂政の力を削ぐためには、アルコン艦隊とドルーフ艦隊をかみ合わせることだ。そのきっかけを作るため、ジュリアン・ティフラーに秘密指令が下る。
　うまくドルーフと接触したものの事態は思わぬ方向に進展、テラはドルーフ搭載艇の超光速エンジンを手にする。(2001.3.15)

４２巻「アルコンの兵士狩り」

　・ハロー、トプシド、応答せよ　クルト・ブラント
　２０４４年は、レジナルド・ブルの不吉な予感で開けた。
　アルコン摂政は有機生命体を宇宙艦に配属する方針に転じていた。そしてトプシダーが艦隊に採用されたとの報。トプシダーのもとには７０年以上前のヴェガ星域戦に使われた地球の銀河ポジションが眠っている。ローダンはミュータント全員とトプシダー母星へ出動した。
　作戦中に２４３名の命と超弩級戦艦≪クビライ・カン≫、フィクティブ転送機一機が失われる。

　・アルコンの兵士狩り　クラーク・ダールトン
　アルコン摂政を内側から攻撃し、あると予想される安全機構を作動させるため、アルコンの膝元ツァリトへローダン一行２００人が潜入する。目的はアルコンに徴兵されたツァリト人将兵としてアルコンに降りること。(2001.3.17)

４３巻「権力への鍵」

　・ナートル戦闘学校　クラーク・ダールトン
　ツァリト人として徴兵されたローダン一行の送られた先はアルコン第五惑星の月、ナートルだった。なんとかアルコン三惑星に着かなければ目的は達せない。一方、ツァリトでもローダンの計画全体を揺るがしかねない事件が起こった。

　・権力への鍵　Ｋ・Ｈ・シェール
　所定の訓練を終え、アルコンIIIでの休暇を認められた一行は、巨大ポジトロン脳内部への侵入・破壊を試みるが失敗。ローダンは最後の手段としてアルコン爆弾によるアルコンIII自体の破壊を試みるがこれもまた阻止される。
　すべての手段が尽き、絶望したアトランは摂政を守るバリアの直前で摂政をあざける。まさか、それが摂政の安全機構Ａ＝１を作動させるきっかけになるとは。
　アトランはアルコン皇帝として認められ、ロボット摂政はアトランに従うことになった。(2001.3.17)

４４巻「ドルーフ艦隊襲来！」

　・ＩＳＣの冬眠者　ウィリアム・フォルツ
　地球はイエローストーンにある冬眠会社ＩＳＣの冬眠施設。ここは人生に疲れた人間を未来へと送り込むことになっている合法的施設だ。施設の運営に疑問を感じたもと太陽系情報局工作員の私立探偵リチャード・ケノフは施設への潜入調査を行う。そこは月面転送機の事故により地球に拠点を構えることになったドルーフの秘密基地だった。

　・ドルーフ艦隊襲来！　Ｋ・Ｈ・シェール
　ＩＳＣのドルーフ秘密基地は壊滅したものの、ドルーフは太陽系近傍に人工的放電漏斗を開くことに成功した。大規模な太陽系防衛戦が始まる。太陽系だけで攻撃を支えきれないと悟ったローダンは、太陽系の銀河ポジションを公開し、影のアルコン皇帝となったアトランに援助を求めるとともに、放電漏斗ステーション破壊のため≪カリフォルニア≫をドルーフ宇宙へ送り込む。(2001.3.17)

４５巻「アトランの危機」

　・グッキーの出番　クルト・ブラント
　太陽系で行われたドルーフとの宇宙戦は太陽系住民にとってはいきなりだった。議会に責任を問われるローダンだが、討論の末に信任を取り付ける。
　一方、ドルーフ襲来時に太陽系救援に駆けつけた宇宙艦４千隻をもって居座る銀河商人コカツェ。冥王星を脱走したトマス・カーディフは銀河商人と結び、火星と金星の交易を押さえる。グッキーは独断専行してカーディフの居場所を突き止めるとともに銀河商人の間に混乱を引き起こす。
　銀河商人を太陽系から撤退させたのはアトランがアルコン摂政を押さえたというカーディフの情報だった。

　グッキーがいきなり暗示能力発揮というのはちょっとね。

　・アトランの危機　クルト・ブラント
　アルコン摂政の背後にいるのがアトランであることを公表するとともに、銀河商人銀行をあやつり帝国を混乱に陥れるトマス・カーディフ。アトランが国家権力を容赦なく駆使することを示さなければ帝国は崩壊する。
　ローダンの作戦は、太陽系から撤退したまま自分たちの宇宙へ戻れないドルーフ戦艦三千隻を利用することだった。

　ローダンがドルーフとの取引に使った大型レンズ・フィールド・プロジェクター（名前が以前と変わっている）だが、直径２００メートルの穴しか開けられないはず。これだと大型艦は通過できない。正直な取引のはずなので、プロジェクターの限界は都合良く無視されたものと思う。あったはずの制約をいきなり無視して物語が進んじゃうのにはいつも戸惑わされる。(2001.3.18)

４６巻「秘密使命モルク」

　・エラートの帰還　クラーク・ダールトン
　挙動不審でついに告発されたオノト。オノト内部に潜んだエラートはオノトとの精神的な戦いで消耗していた。エラートが自分の世界へ戻るためには、本来の肉体をエラートのもとへ運ばねばならない。ドルーフの超光速エンジン設計図をたずさえたエラートの帰還は成るか。

　・秘密使命モルク　ウィリアム・フォルツ
　みずからの立場を強化するため、強力な同盟者を求める太陽系帝国。かつて遭遇した分子変形能力者との連絡をつけるため、エヴァソンとゴルトシュタインが再び出撃。
　主要な展開からはずれた話で、３７巻「戦慄」の続編。ウィリアム・フォルツのシリーズ参加第３作。(2001.3.19)

４７巻「闇に潜む敵」

　・闇に潜む敵　クルト・マール
　アトランの率いるアルコン帝国との協定で、帝国のどこかで事件が起きたときは太陽系帝国が警察活動を支援することになっていた。ということで今回はロボットが警報を発した惑星オプガンでの、ソミア・アンチャー少佐の活躍。
　アラスとスプリンガーが手を組んでのわるだくみ。恐ろしい効果を持つアラス薬が登場。

　・燃える太陽　クラーク・ダールトン
　アルコン帝国のため有為の人材を求めるアトランが、９ヶ月前にグッキーが遭遇した太古のアルコン宇宙船を思い出す。その宇宙船をアルコンに連れてきてくれとローダンに依頼。だが、再発見した宇宙船では冬眠者十万人が続々と目覚め大混乱が生じていた。

　ドルーフとの戦いもほぼ決着がつき、ロボット摂政が退位してこのところの話は一話独立で幕間的になっている。月ロケット着陸から始まったこの物語が最初の決着を迎えようとしているみたいだ。(2001.3.21)

４８巻「虚無への探索」

　・虚無への探索　クラーク・ダールトン
　ローダンのもとへ不死者からのメッセージが届く。惑星バルコンから生命の兆候が消えてしまったという。不死者の宇宙船に乗りローダン一行はバルコンへ飛行。そこで、容易に探知できない存在がバルコンを襲ったことを知る。
　バルコンのレゴーンはグッキーを見て１００万年の間会っていない伝承の種族であることをほのめかす。

　・謎のアンティ　Ｋ・Ｈ・シェール
　アトランの細胞活性装置が盗まれる。盗んだのはアルコン居住惑星に広がるバアロル教団。その祭司はミュータントの超能力を無効化するとともに、バリアを強化する能力を持つ。ローダンはその背後にトマス・カーディフの存在を見る。
　ローダンは大祭司セグノ・カアタを小惑星に追い詰めるが、インパルス銃では倒すことができない。アトランの死の刻限が迫る。(2001.3.24)

４９巻「危うし惑星トラムプ！」

　・権力の代償　クルト・ブラント
　トマス・カーディフが潜むスプリンガーの根拠惑星アルヘツ。カーディフを捉えるべくローダンはソルテン人に化けてアルヘツを訪れる。カーディフはローダンと対面するが、和解はなかった。カーディフはヒュプノ・ブロックにより自分の素性を忘れる。

　・危うし惑星トラムプ！　クルト・ブラント
　グッキーの故郷惑星トラムプに謎の宇宙種族が訪問。何らかの実験を意図してトラムプをその太陽に落としこもうとする。ホームシックに駆られて休暇を得たグッキーはトラムプの破滅を目の当たりにする。
　２０４５年１月、ネズミ＝ビーバー種族の２８匹の子供だけが救われ、火星で新たな生活を始めることになる。(2001.3.24)

５０巻「超種族アコン」

　・人類の友　ウィリアム・フォルツ
　引退し、余生をアルコンからも地球からも離れた惑星で送ることにしたクレスト。折悪しく、故郷惑星を追放されたウニト人３名がクレストの星へ不時着する。クレストのスペース＝ジェットを奪おうとするウニト人と、クレストの戦い。
　スペース＝ジェットを守り抜いて、クレストは息絶える。

　・超種族アコン　Ｋ・Ｈ・シェール
　→ポスビサイクルへ。(2001.3.24)

　初稿：2001.3.12、改訂：2001.3.15〜