宇宙英雄ローダンシリーズ
６１〜７０

　不可思議な惑星メカニカからの脅威をひとまずしりぞけたローダン。アルコンではアコンがアトランを狙った策略を巡らしていた。(2001.4.10)
　皇帝位を巡る戦いはロボット摂政の破壊で幕を閉じ、テラは軍事的にもアルコンを支える背骨となった。
　２１１２年、銀河間の深淵からあらわれたポスビとローリンが銀河に大規模な破壊をもたらしはじめた。(2001.5.13)

ローダンなもの

６１巻「トカゲたちの遺産」

　・トカゲたちの遺産　クラーク・ダールトン
　ベーコン苔収穫船との接触。アルコンIIの危機はこれによって回避された。クロードリンは惑星メカニカへ再度進出し司令ステーションを破壊。メカニカへの途上で謎の紡錘形宇宙船と遭遇した。

　・大提督の死　クルト・マール
　アルコンで発生したテクス提督殺人。その謎をナイク・キント大佐率いる第三課の面々が追う。やがて明らかとなるアコンの秘密工作。アコンはアルコンの旧家ミンテルロ家のカルバを擁して何事かをたくらんでいる。(2001.4.10)

６２巻「Ａ＝１の破壊工作者」

　・Ａ＝１の破壊工作者　クルト・ブラント
　ミンテルロ家のカルバをアルコン皇帝に擁立しようとするアンティ、アコンの勢力はロボット摂政の中枢部Ａ＝１に侵入した。ローダンとアトランは侵入したアコンをＡ＝１から排除するがその直後、摂政は太陽系艦隊のアルコン帝国版図からの撤退を要求する。

　・心理決闘　ウィリアム・フォルツ
　皇帝アトランの指示を受け付けなくなったロボット摂政。摂政はカルバを招き入れて、皇帝の座をかけたアトランとの心理決闘を実施させる。アトランは皇帝の座を追われ、かろうじてローダンに救出される。
　シク＝シクを持つテイトが登場。(2001.4.22)

６３巻「帝国の騎士」

　・帝国の騎士　Ｋ・Ｈ・シェール
　アコン、アンティの傀儡となった皇帝ミンテルロ一世。もはやロボット摂政を破壊せざるを得ないとアトランは決心する。テラナーの作戦は、アコンの時間転換機を使って６０００年前のアルコンIIIにさかのぼることだった。
　古アルコンの科学者エペトランにより、２１０６年２月１５日、ロボット摂政は機能を停止する。
　ラス＝トオルのアウリスが死亡。

　ローダンが摂政に爆弾を仕掛けても時間転換機が停止すれば、爆弾は現在に戻ってしまうはず。ローダンが現在に戻った後で、エペトランがそれを取り外せたのが不思議。
　時計を合わせろとローダンが言うのも、今となっては時代錯誤。

　・影たちの攻撃　クラーク・ダールトン
　太陽系帝国は皇帝に復帰したアトランの了解を得て、機能停止したロボット艦十万隻の接収に努める。リニア・エンジンを搭載した超弩級戦艦第一号≪カエサル≫は、ロボット艦接収中に姿を見せない謎の存在と交戦する。
　ネズミ・ビーバーのイルツがグッキーを助けて活躍。(2001.4.22)

６４巻「超空間からの殺人鬼」

　・島宇宙のあいだで　クルト・マール
　２１１２年５月、銀河間空間を探る探知中継点ＢＯＢ＝２１が４１０光年先の宇宙戦を探知。やがて傷ついた異星船がＢＯＢ＝２１に衝突。見えない存在がＢＯＢ＝２１に侵入した。
　見えない存在に占拠されるＢＯＢ＝２１。やがて不規則な方形の宇宙船がＢＯＢ＝２１へ接近。ＢＯＢ＝２１を破壊する。
　ＢＯＢ＝２１の要員救出に向かった第三課のロボット、ミーチ・ハニガンは転送機に入ったまま行方不明となる。

　・超空間からの殺人鬼　ウィリアム・フォルツ
　Ｍ−１３星団外縁に今も漂うアルコンの無人ロボット艦。その接収に向かった都市名クラス軽巡≪フリスコ≫がフラグメント船に遭遇。ロボット艦を巡る戦いになる。旗艦≪セオデリック≫で救援に向かったローダン一行は奇怪なロボットの一群と遭遇する。(2001.4.22)

６５巻「惑星フラゴの囮」

　・メカニカの猛火　クラーク・ダールトン
　２１１２年７月、謎のロボットの手がかりを求めて惑星メカニカに調査隊が送られる。やがて目に見えない宇宙艦が出現、メカニカをアルコン爆弾様の兵器で攻撃する。
　さらに、見えない宇宙艦を追ってフラグメント船が出現した。この戦闘で、ローダンはロボットと破壊されたフラグメント船を手に入れる。
　見えない存在がローリンと名付けられる。

　・惑星フラゴの囮　クルト・ブラント
　フラグメント船を操るロボットはポスビ（ポジトロン＝生命体ロボットのこと）と名付けられる。ポスビの正体を探るローダンの次の一手は、擬装したロボット収穫船をフラグメント船に回収させることだ。擬装収穫船に潜んだ１０人の前に現れたのは銀河間空間に孤立する惑星フラゴだった。
　ロボット学者のヴァン・モデルスが登場。グッキーとイルツの仲が深まる。(2001.4.25)

６６巻「生体ロボット、ポスビ！」

　・近未来の監視ステーション　クルト・ブラント
　半年前に、行方不明となったロボットミーチ・ハニガンは、銀河とは異なる時間座標に漂っていた。謎のエネルギー放射源の観測を続け、ついに自分を救うためにハイパー送信機を作動させた。
　ミーチの救出をはかる第三課とローダンが発見したのは、時間バリアに隠れたフラグメント船だった。

　・生体ロボット、ポスビ！　ウィリアム・フォルツ
　銀河辺境へのテラ＝アルコン宇宙艦の集結を探るため、アコンは超重族トツタルを雇う。封鎖区内のスプリンガー惑星パノトルへ侵入したトツタル船団だが、フラグメント船との戦闘にまきこまれる。トツタルの救難要請は銀河にフラグメント船の存在を知らせた。
　惑星パノトルは、墜落した≪トツタ９≫と数千のスプリンガーとともに、ポスビの手に落ちた。(2001.4.30)

６７巻「エヴァブラックの砲」

　・ロボット、爆弾、ミュータント　ウィリアム・フォルツ
　惑星パノトルから九千名のスプリンガーと≪トツタ９≫を回収しなければ、テラを始めとした銀河の居住惑星のポジションがポスビに明らかになってしまう。フラグメント船に包囲された惑星パノトルに展開されるミュータント作戦。
　ＴＮＴ六千六百億トン相当の核融合爆弾をフィクティブ転送機で送り込む作戦が奏功して、≪セオデリック≫はフラグメント船を屠る。

　・エヴァブラックの砲　Ｋ・Ｈ・シェール
　あらたに発見されたポスビ惑星エヴァブラック。情報を求めるためローダン、アトラン、グッキーを始めとした一行が乗り込む。
　特別にポスビに調整した麻痺ビームの有効性を確認したものの、≪セオデリック≫の被弾により最後のフィクティブ転送機も破壊されてしまう。(2001.4.30)

６８巻「孤独の監視哨」

　・孤独の監視哨　クラーク・ダールトン
　ローダンは、時空のどこかにいるハルノに対ポスビ戦の協力を求める。呼びかけが答えたハルノが映し出したものは、フラグメント船に蹂躙されるアコン植民地だった。
　アコンとの協定にもとづき、小型艇１００隻とともに物質転送機で植民星に転送されたローダンは多大の犠牲を払い、対ポスビ兵器として有効性が確認された麻痺砲を使ってフラグメント船を駆逐する。
　ハルノは再び無限界に戻る。

　・地下の怪物　クルト・マール
　ブルーの星系から２０光年はなれたアコンの惑星アフツォト。そこはアコンの生物研究惑星だった。潜入した第三課の手により、アラスの生物学者クレ＝タツがポスビプラズマの研究者としてテラの陣営に加わる。(2001.5.5)

６９巻「銀河への強襲」

　・銀河への強襲　クルト・ブラント
　学習能力の高いポスビには、もはや麻痺砲も威力を発揮しない。ついにＭ−１３球状星団に向けたポスビの大侵攻が開始された。防衛戦の先頭に立つアトランだが、超重族も参加する防衛戦の成果はあがらず、戦線はしだいにアルコン帝国中枢部へと近づいていく。
　しかしその間にモデルスとクレ＝タツはミュータント部隊のオルフ・スタッゲの発見をもとに、ポスビ・プラズマとに対して人類の善意を伝えることができた。ポスビと銀河勢力の間に不安定な休戦が成立する。

　・無限大のリスク　クルト・ブラント
　２１１３年８月２日から８日間続いたポスビとの停戦の間にアルコン＝アコン＝テラの同盟が成立、同盟の成果によりポスビの時間バリアを破壊できる宇宙空雷の開発に成功する。
　不安定な停戦は、ローリンの介入により再びＭ−１３を巡る戦闘へと変化する。多大な損害はついに、アトランに戦闘放棄を決断させる寸前に達する。
　ローダンがポスビ惑星フラゴに対するローリンの侵攻を演出することで、ポスビは銀河から撤退する。

　この巻の挿絵から、墨が入るようになって挿絵の迫力が増す。(2001.5.13)

７０巻「ローリン来たる」

　・ローリン来たる　ウィリアム・フォルツ
　ポスビに対する一層の知識を得るため、ローダン一行は物質伝送機を使ってポスビの時間ステーション調査におもむく
　だが、転送先は別の伝送機。かつてメカニカに栄えた文明の成果のようだ。そこはかつてメカニカのあった恒星アウトサイドの第一惑星。ローリンが基地を構えていた。
　ローリン、ポスビ、メカニカの関連の一端が明らかになる。

　・死者、死すべからず　クラーク・ダールトン
　対ポスビ戦の決着を付けるためには有効な兵器が必要と判断したローダンは、エルンスト・エラートの力を借りてポスビの持つトランスフォーム砲を無傷で奪取する作戦に着手する。
　トランスフォーム砲の入手には成功するが、エラートはローダンのもとを去る。トランスフォーム砲の秘密を同盟者に明らかにしないことを表明したことで、アコンとテラの関係は再び険悪化する。(2001.5.13)

　初稿：2001.4.8、改訂：2001.4.10〜