宇宙英雄ローダンシリーズ
８１〜９０

　連合帝国を襲うホルンシュレッケと未知の宇宙艦。銀河の反対側、イーストサイドにあると推定される第二帝国との本格的な接触が始まる。(2001.6.3)
　ブルー族の第二帝国は無敵のモルケックス装甲で連合帝国を追い詰めるが、連合帝国はモルケックスを破壊する手段を手に入れ、これを退ける。だが、銀河政治情勢は不安定となり、テラの植民惑星プロフォスが連合帝国に反旗をかかげる。(2001.7.25)

ローダンなもの

８１巻「死への飛翔」

　・ＵＳＯの四人　ウィリアム・フォルツ
　シュレックヴルムが知性を持つことを確認すべく、ＵＳＯのスペシャリスト４人が惑星エウヒヤへ降りる。惑星に発生したただ一匹のシュレックヴルムに知性を確認したものの、乗員のいないモルケックス被覆の未知宇宙船に乗り込みシュレックヴルムとともに宇宙空間へと発進してしまう。

　・死への飛翔　ウィリアム・フォルツ
　未知宇宙艦内に閉じこめられたＵＳＯの４人とシュレックヴルムの駆け引き。ペーテルレ（ピーターちゃん）と名付けられたシュレックヴルムと、連合帝国の協力関係が始まる。
　未知宇宙船の大艦隊が探知される。(2001.6.3)

８２巻「第二帝国」

　・第二帝国　クラーク・ダールトン
　テラ艦５０００隻と第二帝国のモルケックス艦３０００隻が戦闘。だが、双方ともに強力な装甲とバリアを持ち、損害を与えられない。モルケックス艦へ強行偵察に出たグッキーとラス・ツバイは、不思議な冒険に巻き込まれる。

　・巨大惑星の呪い　クルト・ブラント
　オールドタイマーの遺跡がある衛星イムポス。それを従える惑星ヘルクレスで、不可思議な重力振動がある。オールドタイマーの像のメッセージを解読したティル・ライデンは、惑星ヘルクレスにかつて銀河を食い尽くそうとした超ヘテロダイン的存在であるスープラヘトがモルケックスとして封印され、いままたそれが活動を開始したことを知る。
　ライデンの進言により、ローダンは重力爆弾を大量投入してスープラヘト壊滅を図る。(2001.6.3)

８３巻「コンタクト船≪テラニア≫」

　・コンタクト船≪テラニア≫　クルト・ブラント
　シュレックヴルムとのコンタクトを求めて、シュレックヴルムの母星トムストーンに飛ぶティル・ライデン一行。惑星トムストーンは、ヘルクレスとは別様に進化したスープラヘトであるとの認識をティル・ライデンは得る。
　第二帝国とシュレックヴルムの関連が明らかになり、連合帝国とシュレックヴルムは相互理解を得る。

　・エイサルの迷路　クルト・マール
　ホルンシュレッケの活動のきっかけとなった惑星エイサル。そこに発見された地下施設を調査する科学者一行は、謎の敵と遭遇。第二帝国を作るブルー族の一人を捕虜にする。(2001.6.9)

８４巻「氷の罠」

　・地球のスパイ　クルト・マール
　ブルー族の作る帝国の一つアパス。いっそうの情報を求めてミュータントを含む４人の工作員が、ブルーに化け惑星アパスに潜入する。ブルー族の中心的帝国ガタス帝国の捕虜と、航宙データを手に入れる。

　・氷の罠　ウィリアム・フォルツ
　ガタス帝国主要恒星系フェルト。第５惑星が母星ガタス。そのフェルト星系第１４惑星グリーツの氷の下に宇宙船を隠して基地とする作戦が発動された。首尾良くグリーツの氷にもぐり込んだものの、ブルーに発見される。キルマクトマス少尉の決死の行動で、艦隊へ警報を発することはできたが、メルバル・カソムを含む工作員達４８名が捕虜となってしまう。(2001.6.9)

８５巻「星のジャングル」

　・シガの小人たち　Ｋ・Ｈ・シェール
　ブルー族の捕虜となった４８名の救出作戦。だが、すでに生存者は５名。スペシャリスト、レミー・デンジャーとシガの直径６メートルの重巡≪ルヴィノ≫がブルーの母星ガタスに潜入する。困難を乗り越え、魚に擬装したＵボートを操って、レミーは生存者の救出に成功する。

　・星のジャングル　クルト・ブラント
　突然シュレックヴルムの惑星トムストーンから、テラへの要請が入る。テラとシュレックヴルムとの協定に基づいて、シュレックヴルム３体を酸素惑星へ送り届けねばならない。
　シュレックヴルム輸送の任に付いた軽巡≪コスタナ≫はしかし、目的の惑星で謎のヒューマノイドとの戦闘に巻き込まれてしまう。(2001.7.8)

８６巻「四勢力の戦い」

　・四勢力の戦い　クラーク・ダールトン
　≪コスタナ≫救出に向かう≪ＥＸ＝５２０７≫。だが、第三惑星から来たヒューマノイドとの戦闘をシュレックヴルムがみずからへの敵対行動と誤認。≪ＥＸ＝５２０７≫を破壊し、ブルーにシュレックヴルムとテラナーの協定を知らせてしまう。

　・聖なる島の秘密　クルト・マール
　≪コスタナ≫と≪ＥＸ＝５２０７≫の救援に向かう≪ＥＸ＝３１８≫は、ブルー艦隊に迎撃される。生存者３名は、第三惑星トラップへ不時着。かつてのアコン植民者の子孫であるトラップ住民との軋轢を経て、連合帝国へ警告を発する。あらためて連合帝国とブルー帝国の戦闘が迫る。(2001.7.20)

８７巻「ノーチラス作戦」

　・ノーチラス作戦　Ｋ・Ｈ・シェール
　ブルーの本拠地に潜むシガの重巡≪ルヴィノ≫と救出された５人。救出から３ヶ月が経過し、ローダンからモルケックス加工の秘密を探るべく指令が来た。ＵＳＯのスペシャリスト、デンジャーとカソムを支援すべく、ディーゼルエンジン駆動のＵボートが惑星ガタスの海底に送り込まれた。
　デンジャーとカソムはついに、モルケックス加工の鍵となるＢ＝ホルモンのタンク６個を手に入れた。

　・装甲破り　ウィリアム・フォルツ
　デンジャーとカソムが手に入れたＢ＝ホルモン添加の過酸化水素水の効果を実地に確認すべく、ホルンシュレッケがあらわれたファグラト星系に科学者の一団が送られる。ブルーの大型円盤艦との戦いでＢ＝ホルモンの効果を確認する。
　たが、入手したＢ＝ホルモンの残りはわずか。ローダンはその合成が成功するまで時間を稼がなくてはならない。

　シュレックヴルムに恨みを抱く異形の天才科学者ド・フォール博士が登場。いい味を出しながら、戦いの中に死亡する。(2001.7.21)

８８巻「時間との競争」

　・時間との競争　クルト・ブラント
　ブルー帝国による連合帝国への攻撃が始まる。Ｂ＝ホルモンは、その超物理効果をまだ再現することができない。しかも、実験に必要なモルケックスの蓄えが尽きてしまった。モルケックス回収のためにブルーラブ＝１におもむいた軽巡≪バボタ≫はブルーの艦隊に撃墜されてしまう。ローダンは≪エリック・マノリ≫での介入を決めた。
　たが、旗艦の力を持ってしても、ブルー帝国艦隊の攻撃のもとでモルケックスを回収するのは不可能。ローダンは、ホルンシュレッケを≪エリック・マノリ≫に導き、リニア空間へと退避する。

　全然実験が成功しないのに、モルケックス在庫が無くなるというのは理屈に合わないような気がするんですけど。

　・最後の一分間　クルト・ブラント
　ついにティル・ライデンの主導のもと合成Ｂ＝ホルモンを使った超物理効果の再現が成功する。連合帝国の拠点に迫るブルー帝国艦隊。アコンの連合帝国離脱。ぎりぎりの状況で連合帝国はブルー艦隊を押し返す。(2001.7.22)

８９巻「アコンの決死隊」

　・第二帝国の滅亡　クラーク・ダールトン
　ブルー帝国との戦闘も最終局面。ブルーの主惑星ガタスに蓄えられたモルケックスが無くなれば、第二帝国は戦闘を継続していられないはず。ガタスのモルケックス在庫を消滅させるべく、グッキーが指揮するミュータント部隊がガタスへ侵入。グッキーの妻イルツも作戦に参加。

　・アコンの決死隊　クルト・マール
　モルケックスの存在を異様に恐れるアコンは、決死隊を送りシュレックヴルムの母星トムストーンを破壊するためにアルコン爆弾を仕掛ける。

　アコンの動機が今ひとつ不明。物語としてはこの先シュレックヴルムが生き残っていては面倒なので展開としては理解できるんですけどね。今回はアコンが遷移エンジンを利用しているのがまた不思議。遷移エンジンでないと物語がうまくいかない部分があるのもまた確かなんだけど。(2001.7.22)

９０巻「仮借なき敵」

　・不時着はボーリーII　Ｋ・Ｈ・シェール
　ブルー帝国との争いも一段落し、ＵＳＯチーフのアトランと宇宙空間で密談するローダン。既知勢力が武力を得たために、連合帝国の屋台骨が崩壊しつつある。
　近傍星系で待機していた旗艦の≪クレスト≫が遭難。アトランの働きで危機を脱したが、敵対していたのはテラの植民者だった。

　・仮借なき敵　ウィリアム・フォルツ
　敵対する植民惑星は３００年の歴史を持つプロフォスだった。情報を求めてボーリーIIの調査を継続するローダンだが、プロフォスの戦艦２０隻に強襲される。逃走する≪クレスト≫。ローダン一行は追い詰められ、ローダン、アトラン、ブル、ノワール、カソムはプロフォスの捕虜となる。(2001.7.25)

　初稿：2001.6.3、改訂：〜