宇宙英雄ローダンシリーズ
１５０〜１６０

　２４３５年、太陽系帝国の地位と威信、経済力と軍事力は新しい頂点に達していた。人類は１０５１個の星系を支配もしくは管理するに至る。約３０年の平穏の後、無数のギャラクシス級戦艦を運用する巨大宇宙構造物オールド・マンがあらわれた。(2001.8.14)
　時を同じくして、大マゼラン星雲からヒュプノ能力を持つクリスタルが飛来。オールド・マンはクリスタルに占領される。クリスタルの起源を追って大マゼラン星雲に進出するテラナー。クリスタルを操るパーリアン、将軍、それと戦うかつての大マゼラン星雲の支配的種族グラドとの遭遇。テラナーはグラドの協力を得て、クリスタル供給惑星の破壊に成功する。(2002.3.30)

ローダンなもの

１５０巻「権力の果て」

・権力の果て　ウィリアム・フォル
　→アンドロメダサイクルへ

・モルゲンロート星域に警報　Ｋ・Ｈ・シェール
　２４３５年、マゼラン星雲で無数の太陽系調査船が行方不明となっていたことから、太陽系艦隊は銀河の南辺境モルゲンロート星域に集結しようとしていた。当該星域近傍に通商拠点を持つ自由商人のロワ・ダントン。いかがわしい噂のある彼とローダン率いる太陽系艦隊は、惑星ルビンで小競り合いを起こす。
　その折、突如としてプラットホーム１２を備えた巨大半球が出現。それは１５０８０のギャラクシス級戦艦を射出できる。この存在がルビンを実力封鎖にかかった。太陽系艦隊もその圧倒的な戦力には損害すら与えることができない。(2001.8.14)

１５１巻「恐怖のプラットフォーム」

・恐怖のプラットフォーム　ウィリアム・フォルツ
　ローダンと入れ替わる形で惑星ルビンに孤立したレッドホースとその部下たち。レッドホースは、巨大構造物をオールド・マンと名付ける。破損したスペース＝ジェットで包囲陣の強行突破を図る。脱出行で次々と犠牲者を出しながらたどりついたオールド・マンのプラットホームで、地球型のロボットとスペース＝ジェットを発見するとともに、第三、第四セクションに巣くうというウォーカーに遭遇する。

・失礼、グッキー親子　クラーク・ダールトン
　マーカントの依頼にもとづき、プロフォスでワリンジャーの動静を探ろうとするグッキーとその息子（名前はまだ無い）。地球への帰路、オールド・マンと太陽系艦隊との戦闘を知ると独断でロボット艦の一隻を捕獲にかかった。宇宙艦の司令室に置かれた自動機構解除装置、謎の写真とメッセージ。オールド・マンの謎の解明に貴重な手がかりが得られた。(2001.8.18)

１５２巻「オールドマンへの奇襲」

・死の迷路　Ｈ・Ｇ・エーヴェルス
　オールド・マンは島の王との戦いの際、５万年の過去界で行方不明となった３１名からの人類への贈り物だった。だが、基幹回路の一部に不調をきたしたそれを人類のものとするためにはオールド・マンの中央にあるキャリアドームへの進出が必要。
　モルゲンロート星域からヴェガ星域へと移動したオールド・マン。ロワ・ダントンの提案に沿い、ローダン一行はグッキーが拿捕した�[６９６宇宙艦を使って第八プラットフォームへの潜入に成功する。テレポートするグッキーは超能力罠の迷宮に捕まり辛くも脱出する。キャリアドームへは徒歩で進出する他はない。
　人類学者を名乗る謎のオクストーン人、オービター・カイマンとハニーネ・ゴヤが一行に加わっている。

・オールドマンへの奇襲　Ｈ・Ｇ・エーヴェルス
　慎重にキャリアドームへの道をたどるローダン一行。だがついに存在を探知されてロボット軍の攻撃を受ける。また、突如としてオールド・マンが緊急体勢に移行する。
　第八プラットホームを脱出し、レッドホースが発見した荒廃セクションである第三プラットホームをめざす一行。そこではウォーカーとロボット軍が戦闘を繰り広げていた。オールド・マンと共生関係にあったウォーカーが今なぜ。
　一行の一人イワン・イワノビッチ・ゴラチンが発見したのはかつてキント・センターを襲ったマゼラン雲のクリスタル工作員だった。クリスタル工作員がオールド・マンに広がってしまえばオールド・マンは完全に人類の敵に回る。
　一行は為すすべもなくオールド・マンを離れるしかなかった。(2001.8.19)

１５３巻「戦艦≪オマゾ≫絶体絶命」

・ヒュプノ・クリスタル登場　クルト・マール
　クリスタル工作員に冒されたオールド・マンは、調整者ログ・ファンザーの通信を残してヴェガ星系から消える。
　折しも戦艦≪オマゾ≫がマゼラン雲から銀河方面へ飛来する洋梨型宇宙船を破壊する。その中から現れた一辺４００メートルの緑色のクリスタルはそのまま銀河方面へと飛行していく。
　一方、オールド・マンは太陽系艦隊基地ニュー・ルナに出現。艦隊を破壊するとともに、ニュー・ルナはクリスタル工作員に襲われる。ニュー・ルナへの救援に乗り出すローダン。ローダンはオールド・マンとクリスタル工作員を同時に相手せず個別に対応するつもりであることをアトランに語る。

・戦艦≪オマゾ≫絶体絶命　コンラッド・シェパード
　銀河方面へ向かう緑色のクリスタルの監視を続ける戦艦≪オマゾ≫。長い待機期間が乗員の志気に影響を及ぼしていた。ローダンからのクリスタル破壊指令が届く。
　わずかに大きすぎた探求心が、≪オマゾ≫の運命を変える。≪オマゾ≫艦内にクリスタルが侵入したのだ。次々と意志を奪われる乗員たちだがそのうち３名だけが脱出に成功し救難信号を発した。(2001.8.25)

１５４巻「クリスタルの脅威」

・クリスタルの脅威　Ｋ・Ｈ・シェール
　戦艦≪オマゾ≫の帰還が遅いことをいぶかるダントンは、アトランを説き伏せて≪オマゾ≫の位置に向かう。半空間ソナーをはじめとする数々の新兵器を駆使してダントンは≪オマゾ≫乗員をクリスタルから解放した。

・ジェリー・シティにかかる緑の月　ウィリアム・フォルツ
　オールド・マンが現れたジェリコ星系のニュー・ルナに、オールド・マン搭載の超弩級戦艦４隻が降りた。クリスタルに操られる要員を乗せて向かう先は１４万光年を隔てる大マゼラン星雲。ニュー・ルナでクリスタルに支配されなかった２名が、太陽系艦隊に状況を送信した。
　ローダンの乗った≪クレストIV≫は、ダントンが贈った半空間ソナーを用いて、≪フランシス・ドレーク≫とともにオールド・マンの超弩級戦艦を追尾する。(2001.8.27)

１５５巻「マゼラン星雲の奴隷世界」

・マゼラン星雲の奴隷世界　Ｈ・Ｇ・エーヴェルス
　≪クレストIV≫と≪フランシス・ドレーク≫はオールド・マンの超弩級戦艦を追ってマゼラン星雲の惑星キーグを発見する。惑星キーグの偵察に向かったローダン一行はクリスタルに捕らえられたエクスプローラー船の乗員の惨状を見る。
　追い詰められて洋梨型宇宙船の中へ避難するローダン一行。宇宙船は未知の目標に向かって発進する。

・時間旅行者たちの贈り物　クラーク・ダールトン
　ジェリコ星系のオールド・マンを監視する太陽系艦隊。無為の待機に耐えられず、オールド・マンへの偵察を敢行するグッキー、その息子、ラス・ツバイ。
　対超能力の罠をくぐり抜けて、グッキーは調整者ログ・ファンザーの状況を確認する。
　グッキーの息子がジャンピーと命名され、正式なミュータント部隊員として認められる。(2001.8.28)

１５６巻「雨の惑星の秘密」

・デンジャーＩ宛死の貨物　クルト・マール
　洋梨型宇宙船に乗り込んで、どこへともわからない場所へ移動するローダン一行。ローダンは、ヒュプノクリスタルの影響を避けるため失神したまま。
　宇宙船内部を探るロワ・ダントンとミュータント２名は船内に乗り組む”将軍”と交戦。船内のクリスタルを破壊して主導権を握る。クリスタル供給惑星デンジャーＩが確認される。

・雨の惑星の秘密　ウィリアム・フォルツ
　再びキーガンの星に戻った一行だが、クリスタルを積んだはずの洋梨型宇宙船が戻ってこない。さらに、惑星キーグに待機していたオールド・マン所属の戦艦がいずこかへ向けて発進。追跡する≪クレスト�W≫と≪フランシス・ドレーク≫は新たに恒星モデュラを発見する。
　その雨がちな第二惑星では、クリスタルに変更が加えられ、銀河侵攻のための武器に生まれ変わる。偵察に降りた軽戦隊司令ホレ・ホーレ少佐一行は、三次制約者パーリアンと遭遇し、捕虜となる。(2001.9.24)

１５７巻「モデュラの混沌」

・獅子人間たちのキャンプ　ウィリアム・フォルツ
　パーリアンの思惑の裏を突いて、海底基地から脱出したホーレ一行はパーリアンたちの捕虜収容所に迷い込む。そこにはかつてのマゼラン星雲の支配種族、獅子のような顔を持つグラドたちがいた。収容所内の支配権限を巡って争うグラド。
　やがて、グラドのゲリラ部隊の宇宙船がモデュラIIを襲撃。混乱に乗じたホーレは宇宙空港にたどりついてローダンに事情を知らせることができた。

・モデュラの混沌　Ｈ・Ｇ・エーヴェルス
　モデュラIIには、ヒュプノクリスタルの放射を無効にするエネルギー・タワーがあった。ホーレ一行を救出し、エネルギー・タワーの秘密を手に入れなくてはならない。搭載艇でモデュラIIにむかうローダン以下１０３人。
　ホーレ一行の救出に成功したものの、モデュラIIの大混乱の中、巨大クリスタルがオールド・マンの超弩級戦艦で脱出を図る。到着した８２ＧＳＶ艦隊もそのうちの１隻を逃してしまう。
　一方ローダン以下１０３名もクリスタルの介入によって搭載艇から切り離され、グラドの洋梨型宇宙船でモデュラIIからの逃走を図るしかない。途中迷い込んだ不思議な世界で、”守護者”の庇護を受けるウィンガスたちからアーク・ヒュロン大尉は”究極卵”を贈られる。(2001.9.30)

１５８巻「破滅への跳躍」

・マゼラン星雲漂流　Ｈ・Ｇ・エーヴェルス
　ローダンは洋梨型宇宙艦の中で、獅子人間グラドたちに交渉の意図を示す。だが、艦隊のリーダーは責任ある対応を取れない。ゲリラの中継惑星ファースト・ストップでの交渉と尋問の後、再び洋梨型宇宙艦で移動が始まる。
　宇宙艦隊を追跡していた≪クレスト�W≫は艦隊が分散したことでローダンの行方を見失う。オロ・マストがロワ・ダントンの秘密をメルバル・カソムに告げる。

・破滅への跳躍　クラーク・ダールトン
　ヒュプノ・クリスタルを乗せたオールド・マンの超弩級戦艦がジェリコ星系に接近。通報を受けたレジナルド・ブルは全力を持ってその破壊を企てる。オールド・マン超弩級戦艦１４００隻と太陽系艦隊２万隻の戦闘。(2001.9.30)

１５９巻「ヒュプノの幻惑」

・ヒュプノの幻惑　クルト・マール
　クリスタルを産出する惑星デンジャー�T。ＵＳＯの第八十二混成安定化部隊（８２ＧＳＶ）は、アトランの意を受けてその制圧にかかる。デンジャー�Tの守備隊指令はパーリアンと将軍。クリスタルのヒュプノ暗示とパーリアン技術に苦戦する８２ＧＳＶ。
　オールド・マンはジェリコ星系からいきなり消滅。ジェリコ星系を見守っていたレジナルド・ブルは正規軍２００００隻を大マゼラン雲へ移動すると決める。

・海賊の本拠　コンラッド・シェパード
　ローダンとダントンを含む一行が到着したのはグラドゲリラの本拠地ボウルタト。ローダン、マスト、カソムの三人は隠密行動に移るが、ダントンたち１００名は捕虜の扱いを受ける。グラドとの意志疎通が成立したものの、謎のハイパーカム・シグナルが両者の間に誤解を生みテラナーの立場は悪化する。
　アーク・ヒュロン大尉は”究極卵”を保持。(2002.3.26)

１６０巻「電撃作戦」

・幽霊送信機　コンラッド・シェパード
　グラドゲリラの本拠地ボウルタトの地表で何ものかがハイパーカム・シグナルを送信している。そのものを捕らえてテラナーの捕虜たちに掛けられた疑いを晴らさなくてはならない。ローダン、マスト、カソムの追跡。
　捕虜となったダントンの説得、テラナーのクリスタル惑星攻撃をグラド船が観察したことなども奏功して、テラナーとグラドの軍事同盟が成立する。
　アーク・ヒュロン大尉と究極卵はこのあと話題から外れてしまう。

・電撃作戦　クラーク・ダールトン
　２９あるクリスタル惑星を一気に攻撃するため、各惑星に大型艦４００隻が送られる。最初のクリスタル惑星デンジャー�Tの捜索にあたり、グッキーが中枢の母クリスタルを破壊したところ、各惑星のクリスタルすべてが五次元放射性元素ホワルゴニウムに変質する。
　グッキーがネズミ＝ビーバーの寿命について秘密だと言う。(2002.3.30)

　初稿：2001.8.14、改訂：2001.8.18〜