宇宙英雄ローダンシリーズ
１８１〜１９０

　銀河への帰還手段を求めるローダン一行の前に、Ｍ−８７の謎がしだいに明らかになる。(2002.5.5)
　Ｍ−８７内部の力関係をもとに、中枢部の設計者に脅迫にも似た説得を行い、ついに銀河へと帰還したローダン。二次制約者の攻撃がテラへの決定的な打撃となる前に、これを阻止する手段を入手しなくてはならない。Ｍ−８７で得られた知識にもとづき古代レムールとハルト人とのかかわりが解明される。(2002.5.25)

ローダンなもの

１８１巻「永遠の生命の塔」

・永遠の生命の塔　クラーク・ダールトン
　オケフェノケースは死者を小型宇宙船で送り出す。その目的地を突き止めるためホレ・ホーレ少佐が率いるＫＣ−１が発進。Ｍ−８７中枢部にクリスタル惑星モノルを発見する。そこでは不思議な力が死者をあらたな再生に導く。
　作品の最初で老化による衰えを訴えていたグッキーが、再生の恩恵を受ける。イルトの寿命は６００歳程度だと語られる。

・狂者と死者　ウィリアム・フォルツ
　クリスタル惑星の謎に迫ったホーレ少佐一行の脱出行。かつて基地のエンジニアの尋問で精神を病んだジャン・ベリオも再生。ベリオはクリスタル山中で再生したオケフェノケースと出会う。(2002.5.5)

１８２巻「グリーンのけだもの」

・恒星の間の夜　Ｈ・Ｇ・エーヴェルス
　クリスタル惑星の秘密を守るため、ドゥムフリー艦隊が集結。ローダンは秘密をオケフェノケースに漏らしていないことを保証するため、アゲン・トルムブにメッセージを託して脱出。捕虜にしたけだもはローダンをけだものの中枢星系ダスティ・クイーンに招待する。
　暗黒物質をかき分け星系の第三惑星を探るが、すさまじい生物にハルト人の宇宙船とパラディンが捕われてしまう。

・グリーンのけだもの　Ｈ・Ｇ・エーヴェルス
　第二惑星でのけだものとの会合。グリーンの皮膚を持つペレヴォン族はただちにローダンを拘束して、殺そうとする。
　脱出の過程で、捕らわれていたスコアルトを救出。ダスティ・クイーン星系のけだもの世界は崩壊する。

　誰も知らないはずの惑星にスコアルトがいる（秘密資料を持っていた）ところがいかにも。ポスビ有機脳との共生実験をしているケリー・ラッド大尉が活躍。(2002.5.8)

１８３巻「輝くネット」

・輝くネット　ハンス・クナイフェル
　スコアルトの示唆を受けて、ダスティ・クイーン第一惑星に向かう≪クレスト�W≫。輝くネットに包まれた惑星ツォートコーンはけだものの孵化惑星だった。惑星は壊滅し、孵化ステーションの運用者として捕らえられていた再生オケフェノケース６２人を救出する。
　スコアルトが死亡。冷徹な論理を展開する異星人が、べつの時には人間には理解できない激情に駆られて行動するなんていうのがローダンではよくあって、まともな説明はないのだが深く気にしても仕方がない。

・バイオ・ステーションの謎　クラーク・ダールトン
　救出したオケフェノケースの代表者エインチ・チグロルの希望を入れてかつての研究拠点ボウルジャイリー星系の惑星エドニルにおもむく≪クレスト�W≫。その水惑星ではパーリアンたちがけだものに捕らわれ苦しんでいた。(2002.5.11)

１８４巻「未知への帰還」

・巨星の中心で　Ｋ・Ｈ・シェール
　オケフェノケース６２名を惑星モノルに降ろすことで、そこに生じたトランスミッター・フィールドを通じ、中枢部の設計者の本拠へと移動する≪クレスト�W≫。ドルイトル、バローン・レシツァンへの脅迫めいた説得の結果、ローダンはパラトロン・コンヴァーター二機を手にする。

・未知への帰還　クルト・マール
　未開惑星におけるハルト船へのパラトロン・コンヴァーター取り付け作業。予期せぬ敵対勢力の出現による危機を乗り越え、銀河間空間で≪クレスト�W≫と離れた一行はハルト船に満載されて故郷銀河へと帰還する。だが、中枢部の設計者の罠が作動し、ハルト船はふたたびＭ−８７へ戻ろうとする。５０００名が緊急脱出した先は未開のジャングル惑星だった。(2002.5.19)

１８５巻「ドラン狩り」

・ドラン狩り　ハンス・クナイフェル
　巡洋戦艦≪オリノコ≫でドランの捜索と破壊の任務に就くヴィヴィアー・ボンテイナー。銀河中枢の強烈なハイパー衝撃前線を探知し調査に向かった先で遭難したローダン一行を発見する。衝撃波に引き寄せられたドランを、射出したコルヴェットとスペース＝ジェットとともに辛くもこれを破壊するが≪オリノコ≫は破壊される。そこにさらにアコン重巡３隻が接近する。

・オールド・マンでの裏切り　ウィリアム・フォルツ
　銀河中枢部での交信傍受から、オールド・マンにいるローダンは替え玉であるとの確信を持ったアコン人ラスカニは、ハイコ・アンラートを襲って人類への反逆を起こすことに成功。にせローダンの指示によってブルをはじめとする太陽系要人が次々と反逆罪で拘束される。
　ローダンは太陽系帰還を果たすが、ハイコ・アンラートと護衛のローリー・マルテンは殺され、細胞活性装置を奪ったラスカニは太陽系から逃亡する。

　ローダンが戻ってきたからには替え玉は無用と、ローダンの心の負担を軽くするため、作家チームに殺されてしまったアンラートが哀れ。(2002.5.19)

１８６巻「太陽暗殺」

・太陽暗殺　クラーク・ダールトン
　細胞活性装置を奪ったラスカニを追って、グッキーとハール・デフィンはアコンの秘密惑星ベイネルトを発見する。そこでは、二次制約者と通じたアコン秘密情報局が太陽をノヴァにしようと作戦を巡らしていた。

・禁断世界探検　ハンス・クナイフェル
　二次制約者に対抗するため、その同類であるハルト人がなぜ５万年前に突然平和的になったのかを探る必要がある。イホ・トロトの同意を受けて、≪ＥＸ＝３３３３≫で惑星ハルトに向かうローダン。船を率いるのはヴィヴィアー・ボンテイナー。
　ハルトの長老ワクソ・カナに認められなかったハルト探検だが、トロトの独断にもとづく地下世界への旅はハルトに対するレムリア人の関与を示唆していた。(2002.5.19)

１８７巻「死の地下迷宮」

・死の地下迷宮　ハンス・クナイフェル
　ハルトの長老ワクソ・カナの了解を得て、ハルトの禁断ゾーンを進むボンテイナー一行。古代レムール人が置いた試練の罠を突破した一行だが決定的な兵器の情報は得られなかった。ハルト人はレムール人によって平和嗜好へと転換されていたことが判明。

・セプルヴェダの力　Ｈ・Ｇ・エーヴェルス
　アンドロメダのマークスから大型艦１万隻の支援を求めるため、国家大臣カントール・チアリーニが≪ルビコン≫でアンドロメダへ出発。だが、マークスが管理するはずの宇宙駅ミッドウェイはテフローダーの侵攻下にあった。(2002.5.25)

１８８巻「過去からの声」

・アンドロメダの陰謀　Ｈ・Ｇ・エーヴェルス
　マークスにテラ援助の申し入れをするチアリーニ。そのためにはマークスに対するテフローダーの脅威を取り除かなくてはならない。チアリーニの交渉が冴える。光の息子を称するバール・ルンが姿を見せる。

・過去からの声　クラーク・ダールトン
　ついにＦｐＦ砲の効果を無効にしたドラン２０００体が集結。地球への直接侵攻を図った。太陽系全艦隊を犠牲にしてそれを撃退できても無意味。絶望的な事態となったその時、オールドマンのプラットフォームがパラトロン・バリア対抗兵器コントラフィールド放射装置を投入した。
　オールドマンの謎かけを解いたローダンは、オールドマンを建造した惑星に関わるデータを手にする。ドランへの対抗兵器を手にするためにはそこを訪れなくてはならない。(2002.5.25)

１８９巻「怪物惑星」

・輝く石の荒野　ウィリアム・フォルツ
　オールドマンから入手したデータはローダンをテラから４７５１９光年離れた惑星サティアトに導いた。表面重力７．１Ｇのこの惑星で、ローダンはパラディンの支援だけを頼りにあらたな手がかりを見つけなくてはならない。
　レムリアの専門家協調性の欠けたセイゲル・シュジーエフ博士が参加。

・怪物惑星　ウィリアム・フォルツ
　次の目標はスコーチ星系第二惑星トロボス。そこには巨大な漏斗状構造物があり、ウォーカーが住んでいた。ローダンはウォーカーと平和的に接触し、≪クレスト�X≫をその地表へ下ろす許可を得なくてはならない。
　着陸した≪クレスト�X≫はさらに第三惑星スコーチャーの地下へと転送される。(2002.5.25)

１９０巻「時間コマンド」

・地獄の門　クルト・マール
　かつての≪ディノ３≫主席技術将校ガス・バーナードからの連絡がある。一行はレムール基地へと招かれるが、基地は１万年前の銀河侵攻で生き残ったマークスとの戦闘状態にあった。マークスの攻勢をかわしレムール人ナトリン・コクツォンと接触したローダン。しかし、マークスの攻撃の前に基地の命運は尽きようとしている。

・時間コマンド　クラーク・ダールトン
　マークスから逃れるには、時間転送機を使ってタイム・パラドックスを起こす以外にない。１万年の過去へ戻りレムール人と接触するローダン。コントラフィールド放射装置とディメトランス・エンジンを含むレムールの遺産がテラに託される。
　ローダンは時間転送機を破壊し、その資料も破棄する。(2002.5.25)

　初稿：2002.5.4、改訂：〜