宇宙英雄ローダンシリーズ
１６１〜１７０

　三次制約者パーリアンとクリスタルの脅威を大マゼラン星雲から駆逐したテラナー。だが、母クリスタルの破壊はハルト人に似た二次制約者の覚醒を招いた。(2002.3.30)
　強力な兵器と防護バリアを持つ二次制約者は、少数ながら圧倒的な戦力を持ち、オールド・マンをその支配下に納める。オールド・マン争奪戦のさなかローダンを乗せた≪クレスト�W≫はパラトロンに捕らえられ、その航続性能がはるかに及ばないＭ−８７銀河へと移動させられてしまう。
　ついに二次制約者とオールド・マンが太陽系を襲う。新兵器ＦｐＦ装置の導入で辛くもこれを撃退するレジナルド・ブル。この戦いを通じてオールド・マンは人類のものとなる。
　一方ローダンは、Ｍ−８７のかつての軍人種族司令官スコアルトと出会う。(2002.4.21)

ローダンなもの

１６１巻「巨人めざめる」

・タイガー・セクターでの幕間劇　Ｈ・Ｇ・エーヴェルス
　クリスタル産出惑星破壊の次は、クリスタルプログラミング惑星８つの同時攻撃。そのひとつ、惑星キーグへの攻撃により、海底都市からパーリアンの宇宙艦５隻がタイガー・セクターへ向けて逃走する。パーリアンの未知兵器により破壊される軽巡≪アカイ≫。
　７７ページで、ローダンはヒュプノ免疫を持っているようだが、あれ？グラドに誘拐されたときは免疫がなかったはずでは。

・巨人めざめる　ウィリアム・フォルツ
　母クリスタルの破壊により覚醒した二次制約者トロ・コン。だが、生体宇宙船ドランの第１執行者が死亡してしまった。ドランの航宙士たる第１執行者を求めるトロ・コンは、テラナーの名航宙士、行動に問題のあるカマロン・オレクをシンポジウムに組み入れることに成功する。(2002.3.30)

１６２巻「時間警察」

・時間警察　クルト・マール
　テラナーの時間犯罪を処罰するという時間警察こと二次制約者トロ・コン。モデュラ星域で二次制約者とテラナーとの初の手合わせ。パラトロンを操る二次制約者に為すすべのない太陽系艦隊だが、ハルト人イホ・トロトとファンカン・タイクの援助により痛み分けに終わる。トロ・コンはテラナーの無実を主張するローダンに耳を貸さない。
　アトランがダントンの秘密を知る。

・虚無界漂着　クラーク・ダールトン
　ナヴォ北に遊弋するオールド・マンを入手せんものとトロ・コンが行動を起こす。二次制約者との交渉の余地を残すため、ローダンは決定的な破壊を思いとどまる。トロ・コンはオールド・マン内のクリスタルを無力化し、オールド・マンをその手中に収める。
　オールド・マンに乗り込んだウールヴァ兄弟を支援に向かうグッキーは、意図に反して幻想的なブレルスの世界に迷い込む。生きた記憶装置ブリープが登場。(2002.3.31)

１６３巻「グッキーとゴーレム」

・追放された者たちの時間実験　クルト・マール
　かつてグラドたちの母星だったプフラナトを訪れたイホ・トロトとファンカン・タイク。そこで発見したパラトロン・フィールド泡のむこうに、時間実験を継続するグラド科学者の一団を発見、敵対関係に陥る。
　２人の救出作戦では、ポジトロニクス船≪グリーニ≫に属する科学者部隊が活躍。
　ローダンがダントンの秘密を知る。

・グッキーとゴーレム　クラーク・ダールトン
　オールド・マンを占拠したトロ・コンは、さらに５人の震動守護者（二次制約者）を呼び寄せる。震動守護者との平和的理解に望みを掛けるローダンは全面的な攻撃を差し控えた。飛来するドラン（この段階までテラナーはゴーレムと呼んでいた）の一体に侵入したグッキーとラス・ツバイは震動守護者アセル・キンと意志疎通し、いくらかの情報を得る。(2002.4.6)

１６４巻「死を呼ぶプラズマ」

・死を呼ぶプラズマ　Ｋ・Ｈ・シェール
　オールド・マンが太陽系へ向かって発進する。オールド・マンに向けた太陽系艦隊の攻撃はパラトロン泡に阻止されてしまう。
　パラトロン泡を破るべくハルト船と協力する≪クレスト�W≫だが、その試みは失敗。逆に、両船は超空間へ投げ込まれ、銀河系周辺域から姿を消してしまう。
　”死を呼ぶプラズマ”とは、≪クレスト�W≫が超空間に飛ばされたとき転送機を利用していたアトラン、ダントンたちの変わり果てた姿。

・ガラスの柩　ウィリアム・フォルツ
　≪クレスト�W≫とハルト船が出現したのは三千二百万光年離れたＭ−８７銀河の中枢部だった。大量の透明カプセルに遭遇した≪クレスト�W≫は、その一つを収容する。その中からあらわれた小人は、超能力を駆使して自分の”浄化の火”への到達を邪魔した≪クレスト�W≫に復讐するため破壊工作を進める。(2002.4.6)

１６５巻「暴走惑星」

・暴走惑星　Ｈ・Ｇ・エーヴェルス
　ついに倒した小人は猛毒を≪クレスト�W≫の水に混入していた。艦内のほとんどの水が利用不可能となった状態で、適当な惑星を探す一行。ついに発見した惑星だったが、≪クレスト�W≫が汚染した水を排出し大量の生命が死ぬと、惑星全体が意志を持ったかのように≪クレスト�W≫を襲った。

・ローダンに似た男　ウィリアム・フォルツ
　ローダンが大マゼラン星雲で消息を絶ったという情報が太陽系帝国をゆるがす。臨時大執政官会議にむけてローダンの影武者を立てようとするブル達だが、折悪しくかねて用意されていた影武者は事故死してしまう。急遽代役に選ばれたハイコ・アンラートは自己を捨てきれず精神が安定しない。
　２４３６年１月３１日、ついにオールド・マンが冥王星軌道に出現した。火星軌道に現れた１体のドランはモスキート戦闘機の大群により追い詰められ消滅する。(2002.4.6)

１６６巻「人類の反乱」

・人類の反乱　ウィリアム・フォルツ
　特定不能超能力者（ＵＢ）であるクロトン・マノルは、その能力でローダンが実はにせものであると主張する。マノルを支持する多数の民衆とこれを利用しようとする執政官グウィドリン・グリーチャート、そして秘密組織コンドス・ヴァサク。
　しかし、ハイコ・アンラートの善意を知ったマノルは事態の収拾を図ろうとする。

・海王星衛星争奪戦　Ｈ・Ｇ・エーヴェルス
　海王星の惑星トリトンを奪取しようとする二次制約者。海王星の第二衛星ネレイドは消滅、だがトリトンの地下にある古代レムールの避難所を調査中のオクストーン人２名、クロノト・モルカトとペリシュ・モルカトはレムール施設に助けられ、二次制約者１人を捕らえて、行き先不明のレムール転送機で送り出す。
　モルカト父子はしかし、他の二次制約者にレムール都市の中へと追い詰められる。(2002.4.6)

１６７巻「夢の海」

・夢の海　クルト・マール
　モルカト父子が拘束したアセル・キンは海王星夢の海にあるレムール基地に転送された。その捕獲のため、メタンの海をかき分けて進むスペース＝ジェット部隊。指揮するのはドン・レッドホース大佐。
　時を同じくして、ジェフリー・アベル・ワリンジャーがパラトロン・バリアを破壊するＦｐＦ装置をレジナルド・ブルに提供する。
　ブルはＦｐＦ装置を使って、レッドホースを救出すると共に、二次制約者のドラン３隻を破壊する。

　ワリンジャーが言うように、パラトロン・バリアとＨＵバリア（Ｕにはウムラウトあり）に原理的差が無いとすると、同じ原理でＨＵバリア破壊装置もできてしまうのでは。物語の先では、パラトロン・バリアが太陽系艦隊に装備されるけど、それにはＦｐＦは効かないのか。ＦｐＦの原理は将来この宇宙から消えてしまうらしい。

・巨人の武器庫　ウィリアム・フォルツ
　仲間の二次制約者を破壊されたトロ・コンは逃走を図る。ドランに乗り込んで偵察を図るレッドホースたち。連れ込まれた先は超空間に浮かぶパラトロンの泡、二次制約者１万体が眠る”武器庫”だった。
　カマロン・オレクの意識が戻る。ロボットのスピノザが再登場だが、この話の中で超空間へ消える。(2002.4.11)

１６８巻「無敵のオールド・マン」

・無敵のオールド・マン　Ｈ・Ｇ・エーヴェルス
　海王星の衛星トリトンのレムール基地をさまようモルカト父子。そこにモスキート部隊指揮官イリヤ・マルーメが合流。レムール基地の秘密装備を使い、二次制約者が留守になったオールド・マンの奪回を試みる。
　ログ・ファンザーが最終的に死亡。それにしても赤いレバーはすでにトロ・コンが扱っていたはず。

・グッキーとヴァクパス　クラーク・ダールトン
　汚染された水の交換には成功したものの、植物と肉の補給を更に必要とする≪クレスト�W≫。一見補給に理想的と思われる惑星に知的生物はいなかったが、それでも意外な困難に巻き込まれる。(2002.4.14)

１６９巻「鋼鉄の砦」

・未知との接触　ウィリアム・フォルツ
　≪クレスト�W≫は未知のハイパー通信を受信する。近い方の送信源を調査したところ、廃船同様になった宇宙艦の集団を発見する。ローダンは、生き残った軍人種族の末裔スコアルとの相互理解に成功する。

・鋼鉄の砦　ウィリアム・フォルツ
　艦内に収容したスコアルの希望を入れて、もう一つのハイパー通信の発信元惑星トルクタンへ飛行する≪クレスト�W≫。そこにはスコアルたちの指導者スコアルトがいると思われる。そこに発見したのは、農業惑星のただ中にある巨大な要塞とスコアルトのものと思われる破壊された宇宙艦。ローダンは農園の監督者”青肌”に変装し偵察に向かうが、ロボットに捕獲されてしまう。(2002.4.21)

１７０巻「大宇宙の岐路」

・かぎりなき恐怖の部屋　Ｈ・Ｇ・エーヴェルス
　砦内の捕虜となったローダンとマーシャルは、監房を脱出しスコアルの指導者スコアルトと会う。スコアルトは状況を知り、ローダンによる援助の申し出を受ける。”かぎりなき恐怖の部屋”はテラナーにはたいしたことのない脱走阻止のための仕掛け。
　一方、惑星トルクタン上でローダンの後背援護を勤めるチャイ・クールーは別の惑星にあるらしきエネルギー・ステーションへと迷い込んでしまう。

・大宇宙の岐路　Ｈ・Ｇ・エーヴェルス
　スコアルトと共に要塞からの脱出を図るローダン。
　チャイ・クールーの探索は、テラの私設調査船≪ミンハオ≫発見に至る。また、Ｍ−８７銀河が５万年前からセンターの設計者と呼ばれる者たちを頂点としたひとつの秩序に統合されていることを知る。クールーの帰還とスコアルトは現状へのあらたな認識をもたらした。(2002.4.21)

　初稿：2001.8.14、改訂：2001.8.18〜